近視・遠視・乱視
近視について
視力は目の健康を示すバロメーターの一つです。視力低下が認められた場合、単にメガネやコンタクトレンズ等の処方で解決する場合もあります。しかし白内障、老人性黄斑変性、緑内障、網膜剥離、眼底出血、その他、失明に至るような疾患や点眼や手術治療などが必要な場合もあり注意が必要です。
また目の病気のみならず、糖尿病、高血圧、動脈硬化、そしてリウマチなど、他科との連携が必要な全身疾患が隠れている場合もあり注意が必要です。いずれにせよ視力低下を安易に放置せず、精密検査を受けましょう。スマホ近視
近い距離でいつもスマートフォンを見ていると、近視の進行の引き金になる可能性があります。スマホとの距離は30cm程度離す、1時間に数分間程度は遠方を見て眼を休めるなどが必要です。近年学会では未成年者のITデバイス使用により、急性スマホ内斜視などが急増し問題視されています。
仮性近視(調節緊張)
真性近視は良くなりませんが、仮性近視(調節緊張)は改善の可能性があります。視力低下が有れば、診断および評価のためにも眼科での精密検査が必要です。なお、初期~中期の真性近視にはナイト・コンタクト(オルソケラトロジー)という方法もあります。詳しくは医師にご相談下さい。
強度近視
中等度以上の近視は、統計学的に網膜剥離、緑内障、近視性網脈絡膜変性、近視性黄斑出血などを発症する確率が高く、注意が必要です。
遠視について
視力が悪くなった場合、一般的には近視を心配する方が多いですが、遠視の方が注意が必要です。
- 通常の視力検査では遠視の程度がわかりにくい
- 寄り目斜視(内斜視)併発
- 弱視併発
- 手元が見えづらいことによる学習障害
など、特に小児の遠視は注意が必要です。
なお、精密検査にはサイプレジン負荷検査が必要となる場合があります。
サイプレジン負荷検査について
ピントを合わせる力(調節力)は年齢が低い方が大きいですが、このため、遠視、近視、乱視などの屈折異常の種類や程度を通常の眼科検査では把握出来ないことがあります。
本検査によりこれらを詳しく知る事ができ、診断と治療の精度が高くなります。なお、検査後4~5日間はピントが合いにくく、まぶしい状態が続きますが徐々に消失します。
乱視について
乱視とは角膜や水晶体のゆがみのために「ピントのずれ」が生じ、像がぼやけたり物が二重に見える状態のことです。乱視矯正には「度数」と「方向」という二つの要素があり、通常の検査よりも手間と時間がかかります。場合によっては散瞳検査やサイプレジン負荷検査などの特殊追加検査が必要です。詳しくはドクターにご相談ください。
検査機器
山中眼科クリニック【JR住吉】
スペースセービングチャート
[ニデック社]
視力検査をおこなう装置です。
眼科やまなか医院【阪神御影】
スペースセービングチャート(視力検査台)
[ニデック社]
眼前0.9mのモニター内に4.1m離れた仮想現実を表示して5m遠見視力をコンパクトなスペースで測定できます。
オートレフケラトメーター
[ニデック社]
遠視・近視・乱視・角膜曲率半径の測定をします。
ウエーブ フロント アナライザー(角膜波面収差解析装置)
[トプコン社]
不正乱視の検出と角膜形状測定などに使用します。